⚠ ネタバレには極力配慮しておりますが、念のためネタバレ注意です ⚠
先日、『かがみの孤城』という映画を見ました。(え? 今更?笑)
原作を読んだのは、確か高校生の頃だったかしら。結末に衝撃を受けて、「これってアニメ化とかしたら、どうなるんだろう」とぼけーっと思っていた記憶があります。(思ってただけです)
そうして数年が過ぎて、映画化されると聞きましたが、その時には成長とともに正直キャラ名やストーリーもすっかり忘れていました。ただ、改めて新鮮な気持ちで見れるのではないか、とプラスに捉えて、あえて予習復習せずに見に行きました。
初見とファンのどちらでもないどっちつかずの気持ちで見ていた観客は、劇場の中できっと僕だけでしょう。「ああ、こんなのあったなあ…」、「あれ? こんなんだったっけ…?」と散らかった記憶を探しながら。
本作は、『いじめ』という現実の問題を究極にエンタメ化して、なおかつそれを僕らに問題提起してます。いじめは、エンタメや娯楽で扱うには重すぎる内容です。しかし、本作は「願い事を叶えるために鍵を探す」という聞き馴染みのある展開にすることで、僕らはワクワクして作品の世界観に入り込むことができます。ただ一方で、「いじめは終わらない身近な問題である」という刺激的なメッセージ性が、鮮烈に心に残ります。それは、作品に純粋に夢中になればなるほど、ふかくふかく突き刺さるのです。
ストーリー展開や伏線回収に心躍らせながら、強烈なメッセージ性に心苦しくなる、そんな相反する感情が、薄明るくなった劇場内で僕を襲いました。
学校のはみ出し者には、"孤城"という、寛大な救済を。そこでは、恐怖も萎縮も虚勢もいらない、"かがみ"に写った等身大の自分でいられるのだから。
P.S.
キャラデザでは、アキちゃんが個人的にタイプでした。ですが、相手は中学生ということで、ここは大人の余裕で我慢します。そう、これが"大人になる"ということですよ、ええ…